采配が整うという経験 ゆりかもめ編
その日はお台場から新橋へと向かう予定があった。
ある仕事絡みの勉強会で、良かったら参加しないか、とお声がけいただいたのだった。
「何かここから仕事につながるご縁が生まれるかもしれないし、行ってみよう」
そんな下心もあった。
なにより、
自分から動いたのではないこと、
通勤ラッシュにあたる時間になるので、
身体的理由から、通勤ラッシュ時に電車に乗れないため、都心にホテルを取ろうと思っていたところ、知人がお台場に泊まるというので、便乗させてもらえるなど、タイミングも良かった。
なので、「これは采配だわ♪ きっとそこで仕事につながるご縁があるのね!」
と前のめりな気持ちで高揚していた。
ところが、である。
いざお台場から新橋に向かおうとしたその日、
ゆりかもめが全線、停電によりストップしてしまったのだ!
「早起きして、身支度して出てきたのに!」
振替のバスが出ているとアナウンスはされているものの、そのバスの発車場所もわからなければ、聞こうとしても駅員が表に出ていなくて聞く人もいない。
いつもであれば、何がなんでも目的地へ向かおうとしただろう。
一瞬別の路線で向かおう、とも思ったその瞬間、またグッとペダルを全力で漕ごうとしている自分に気がつき
「やめよう。もう行かないでおこう。」
と手放した。
今から行っても遅刻だ。
初参加で遅刻の方が心象も悪い。
しかも寝不足で頭が回ってないなかで
ディスカッションなどできないだろう。
なにより、せっかくの素敵なホテルで
ゆっくりしたい。(←今思えばこれが本音)
そう思って部屋に引き返した。
主催者に欠席のメールを入れる。
念のためもう1つの連絡先へも連絡しようとするも、今度は携帯がフリーズ。
再起動もできない。
はぁぁぁ、もうお手上げ、だ。
もう抵抗はやめよう。
誰も私を咎めたりしないだろう。
すべて諦めて、ゆっくり二度寝することにした。
二度寝から覚めて
「そうだ、せっかくここまできているのだから、赤坂氷川神社へお参りしよう」
と支度をし、駅に向かったところ、
駅に着いたタイミングでゆりかもめが再運転を始めたところだった。
ゆっくりとゆりかもめに揺られ
新橋から銀座線で溜池山王へ。
携帯がフリーズしていて地図が見れないため
少し迷ったものの、以前来たときの記憶ーふと見たビルとそこに流れる空気ーから無事たどり着き、お参りすることができた。
木造の屋根に雪をたたえた氷川神社は
その冷たい空気も手伝ってなお一層、
凛とした清涼な佇まいで私を迎えてくれた。
手水舎の水さえ雪解け水のように感じられる。
しばし、この清涼な空気に包まれて過ごす。
帰り道には、一度行ってみたかった
預言カフェにプラリと立ち寄る。
そこで、今受け取るべきメッセージを受け取り
帰路に着いた。
本当にどうやっても本音だけが叶えられていくこと、
自分から取りに行こうとするとシャットダウンされることが、こんなにもわかりやすく示されることに、私はただ降参した。
そして、運ばれることに素直に従うと
今受け取るべきものが受け取れた。
タイミングの良いところが神の采配があるところであり、ギフトのあるところ
と私のお祈りの先生が言っていた。
大いなる采配に本当に降参していく
自分でやらずに采配に委ねていく
もうここまでわかりやすく、教えてくれるようになった。
それならば、私はただ、受け取って行こうと思う。